不思議なんですけど、
「アンタ歳取ったからだろ。」と突っ込まれたらそこで終了です。
ということで、もう1つ別の不思議な話をしてみたいと思います。
もう4年ぐらい前になるかと思います。実家のマンションに住んでいたころ、そこに住み始めてからずっとお世話になっている近所のおばさんが突然亡くなった時の話です。
私が仕事先から帰ってきたとき、エントランス内がやけに慌ただしかったので事情を聞いてみようとしたところ、ちょうど母がそこにいました。が、泣き崩れているその顔を見たときに異変に気が付きました。
「Tさん(おばさん)が亡くなった」という話をその時に聞き、さらにパート先から病院へ運ばれ、その病院先で亡くなったということで、その時間帯には家族もまだ帰ってきていないため、おばさんの遺体を部屋に運びたくても鍵が見つからずに入れない状態で、そこでエントランス内の管理人室を調べて、マスターキーを手分けして捜しているところに私が帰ってきたという流れでした。
ここであった不思議な体験が2つあります。まず1つ目に私がその日に「マンションの駐車場口からではなく、ただの気まぐれでエントランスから入った」事。いつもなら駐車場口から入って部屋に帰るルートであるため、エントランス内の状況などわかりません。その日にエントランスから入って帰ろうとしたのはほんの気まぐれで、その時この事態に遭遇したのも偶然でした。
2つ目は、「そのマスターキーを私が見つけた」事。
もちろん誰もが管理人室の中に入ることなんて初めてだったので、どこに鍵をしまっているのかも見当が付かず、管理人本人にも連絡がつかず、そのためにずっと探し続けていたようなのです。私にも何かできることはないかと考え、一緒に鍵探しに参加することにしました。
手当たり次第に引き出しや戸棚を開けて調べている人もいましたが、私はというと、出入り口から室内のレイアウトを確認して、推測できる箇所を絞り込んでみることにしました。マスターキーといえども必ずしも1本とは限らない。スペアキーと同じように各部屋ごとに分かれていて、それらを1つの束にするなりキーケースにまとめて収納している場合もある。それだけ管理は厳重であり、他者の侵入があってもすぐに見つかる様なところに置くことはまずありえない。したがって簡単に手に届くようなところには無い。しかし万が一の非常時に備える必要があるため、そこまで面倒な場所に置くこともしていないはず。だとしたら「高い場所」よりもむしろ「低い場所」に置いてあることのほうが可能性としては高いだろうと考え、部屋の隅にある机のさらに奥を調べたら、案の定キーケースが見つかったのです。
多くの人が「早く見つけなきゃ」と思い焦ってパニック状態だったので、途中参加してきた私が平静を保って行動できたのが幸いだったのでしょう。
ようやく鍵を見つけ、おばさんの遺体を無事に部屋に運ぶことができ、顔にかぶせてあった白い布を上げてもらったときに初めて「死」というものの実感が湧きました。その顔は間違いなくおばさん本人で、どんなに声をかけても目を開けることも無く、静かに横たわったままでした。詳しい死因までは聞けなかったのですが、どうやら過労だったようです。
鍵を見つけることができたのは、単に私が冷静に判断できたからだけではなかったのかもしれません。上手くは言えないのですが、あの時私の中で「何か」を感じ取っていたのですが、もしかしたら「おばさん」が私をここまで導いてくれたのではないか・・・。霊感というのを信じているわけではないですが、あの時だけは信じても良いかなと思いました。
第301回「あなたが体験した不思議なこと」
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